北海道羅臼高等学校
学社連携で作り上げる特色ある「知床学」
郷土学習、環境教育、キャリア教育にも
幼稚園から高校まで一貫で学ぶ
地域の人と共に作る「知床学」
世界自然遺産・知床に含まれる羅臼町にある高校。羅臼町では2007年度から、幼稚園から高校まで一貫して「知床学」を教育の柱に据えています。「知床学」とは、知床の歴史や自然などをそれぞれの年代に合わせた内容で学ぶカリキュラムです。高校では「知床概論Ⅰ・Ⅱ」「野外観察」「野外活動」「海洋生物」「環境保護」を選択制で学びます。
特色は、学校教育に社会教育主事が担当講師として深く関わって授業を行っていること。そのため通常の学校教育とは異なり、校外での学習を頻繁に行っています。そして、地域の漁業者など企業や町民の力を借りて授業が成り立っていることです。「このような授業ができるのも、地域の方の協力と、保護者の理解があってこそ。本当に感謝しています」と鎌田豪先生は言います。
鎌田豪先生
知床と羅臼町の成り立ちを知る
知床概論
高校の「知床学」の柱となる科目である知床概論では、原住民族がどこから来たのか、アイヌ文化の発展、世界自然遺産となった経緯など、現在に至るまでの歴史から、知床の現状と未来を考えます。
また、知床の自然や環境保護に関する内容も、この知床概論で学びます。羅臼町郷土資料館も、「知床学」の授業に貢献しています。
郷土学習であると同時に、町のことを知ることはキャリア教育にもつながっています。地域の人にとっても、「知床学」に対する期待は大きく、「この授業は無くさないでほしい」「町を発展させるために必要」「子どもに町のことを知ってもらう良い機会」と、町の発展に欠かせないものとして捉えられています。
- SDGs 目標番号
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地域の産業を地域の人から学ぶ
水産教室
羅臼町は豊富な海産資源に恵まれた漁業の町です。漁業や水産加工業の従事者も多く、そんな地域の企業の協力を得て、現地実習を交えて行うのが水産教室。高校独自のカリキュラムとして1985年から羅臼高校、漁協、教育委員会の共同で開始した特色ある授業です。現在は「知床学」の「海洋生物」と探求の時間に行います。
海のことについて学ぶため、座学も海が見える展望台の中で行い、実物を見ながら学ぶことがモットーです。漁協の水産加工施設を見学したり、ダイビングの実習を行ったりと、通常の学校教育では経験できないことを学ぶことができ、生徒は時に楽しく、時に目を輝かせて地域の人の話に耳を傾けます。協力してくれる企業も、毎年同じではなく、新しい企業の協力を得ながら授業を進めています。生徒がグループワークを行い、最後に発表の機会を設けるなど、能動的に学ぶスタイルの授業です。
- SDGs 目標番号
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北海道羅臼高等学校
- 住 所
- :目梨郡羅臼町礼文町9番地3
- 電 話 番 号
- :0153-87-2481
- ウェブサイトURL
- :http://www.rausu.hokkaido-c.ed.jp/