SDGs

知床羅臼町観光協会

世界自然遺産と豊かな漁場がもたらす産業
守り続ける人々とのふれ合いが観光資源に

世界自然遺産・知床に含まれる羅臼町では、独特の海と陸の地形がもたらす自然の恩恵と、流氷と海流による豊かな海がもたらす豊富な水産資源によって、観光地として多数の人が訪れています。地域の自然と漁業を持続させる人々の営みは、SDGsの目標にも合致するものです。

海と陸が作り出す貴重な生態系
教育旅行にも力を入れる地域

世界自然遺産・知床に含まれる羅臼町。根室海峡の豊かな海洋生態系と、知床連山の原生林からなる陸の生態系がつながり、海と山の生き物が密接な関係をつくり、希少な動植物の生息地になっています。流氷がもたらす栄養豊富な漁場では、年間を通してさまざまな魚種が獲れています。羅臼の人々は、その自然と水産業を持続可能なものにすべく、今も守り続けています。
観光地としての魅力も高く、国内外から注目される羅臼町。知床羅臼町観光協会や企業など町全体で協力して教育旅行の誘致にも力を入れており、知床の自然を体感し、漁業を知るプログラムを実施してきました。そこには観光関係者だけでなく現役の漁師や多様な職種の町民が協力によって成り立っており、その取り組みはSDGsの目標と合致するものとなっています。
SDGsの目標に関連する人気の教育旅行プログラムについて、大阪府出身でシャチを見るために訪れた羅臼町に魅せられ、足しげく通った後に観光協会の事務局長に着任した若林育代さんと、祖父母が羅臼町に住んでおり、ここに住みたいと役場職員になった羅臼町産業創生課の川上莉佳さんに聞きました。

羅臼町産業創生課の川上莉佳さん、知床羅臼町観光協会の若林育代事務局長

羅臼の漁業の生きた姿を知る
漁港市場見学・昆布倉庫見学

漁港市場見学では、認定された町民ガイドが、水揚げされた魚介類が入った魚箱をみながら、海産物や漁業の説明をします。また、実際のセリも見ることができます。早口なのでただ見ているだけでは何がいくらで競り落とされたのかわからないため、漁業協同組合のセリ人がセリの仕組みを解説した上で模擬セリを行い、生徒さんに仲買人(買う側)を体験してもらいます。「このおしゃぶり昆布を競るよ」と言うと、先ほど見たセリのように白熱した雰囲気に。
昆布倉庫では、漁師が羅臼昆布の漁や加工について説明し、昆布の製品化に欠かせない「ヒレ刈り」(周囲の余分な部分を切り落とすこと)を体験できます。倉庫見学は地味なイメージがあるプログラムだけに、最初はあまり期待していなかった生徒さんも、漁師との交流を楽しみ最後は生き生きした表情になっているとか。また、漁師にとってもうれしい体験となっています。他にも、蓄養施設やウニ種苗センターなどが見学できます。

市場見学風景

昆布体験風景

SDGs 目標番号
  • 質の高い教育をみんなに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任、つかう責任
  • 海の豊かさを守ろう
  • 陸の豊かさも守ろう
  • パートナーシップで目標を達成しよう

自然観察とともに平和を学ぶ
観光船による北方領土洋上視察

教育旅行でも人気のプログラムが、観光船です。羅臼漁港から出発し、ネイチャーガイドの解説により約2時間半にわたり、夏季はクジラやシャチなど海の野生動物、冬季は流氷とともにオオワシ、オジロワシなど大型の猛禽類を観察できる、世界自然遺産ならではのプログラムです。羅臼の海は野生動物が数多く生息しているとともに、港から近い位置に観察ポイントがあるところも魅力です。
また、羅臼と国後島の中間ラインを案内し、北方領土問題を考える平和学習を行います。元島民の講話を聞く貴重な機会も設けています。羅臼町から見た広大な国後島の姿から、すぐ近くに見える島の返還が簡単ではないことを体感することができます。
小型ボートで相泊漁港から知床岬(自動車で通行できない区域)を回る、知床岬ヒグマボートクルーズのプログラムもあります。こちらでは、海岸線に並ぶ昆布番屋を眺めて羅臼昆布の歴史を学びます。野生のヒグマを見られる時もあります。

洋上視察風景

平和学習の風景

SDGs 目標番号
  • 質の高い教育をみんなに
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 海の豊かさを守ろう
  • 陸の豊かさも守ろう
  • 平和と公正をすべての人に
  • パートナーシップで目標を達成しよう

オホーツク地方独特の歴史を知る
羅臼町郷土資料館

羅臼は、縄文時代から豊富な水産資源などを求めて北方民族が行き来した地です。アイヌの祖先が担った擦文文化、北方からやってきたオホーツク文化、それらが融合したトビニタイ文化という、この地独特の3つの文化期の遺跡があり、それらの出土品が展示されています。松法川北岸遺跡出土品は、国の重要文化財に指定されています。北海道で独自に発展した文化を、貴重な展示物から知ることができます。
北海道の文化について考えるきっかけとして、勾玉作り、オホーツク文化の土器や石器のレプリカを作る体験プログラムもあります。

郷土資料館

SDGs 目標番号
  • 質の高い教育をみんなに
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 海の豊かさを守ろう
  • 陸の豊かさも守ろう
  • 平和と公正をすべての人に

一般社団法人 知床羅臼町観光協会

住 所
目梨郡羅臼町本町361-1
電 話 番 号
0153-87-3360
ウェブサイトURL
http://www.rausu-shiretoko.com/index.html