北海道のアイヌ文化
意外と身近なところにもある、アイヌ文化を学ぼう。
アイヌは、古くから北海道を中心に、東北地方北部、サハリン南部、千島列島に暮らしてきた人たちです。独自の言語「アイヌ語」を持ち、口承文芸や伝統的儀礼、特有のアイヌ文様などに代表される豊かな文化を発展させてきました。海や川での漁や、山林での狩猟と採集がアイヌの生活の基盤でしたが、東北地方や大陸との交易も盛んに行っていました。
江戸時代中期からの松前藩による支配や明治以降の同化政策などで苦難の道を歩んできましたが、その文化は受け継がれ、今日に伝えられています。
現代のアイヌの人たちの生活は、日本に住む大多数の人々と同じで、伝統的な生活様式をそのまま続けている人はいません。しかし、儀式や冠婚葬祭の場などで伝統の晴れ着を着たり、昔ながらの素材を新しい方法で調理したりするなど、アイヌの伝統文化を積極的に学び伝えようとする活動も盛んになってきています。
また、マンガ大賞を受賞した『ゴールデンカムイ』の影響で、アイヌ語やアイヌ文化に興味を持つ人々も増えてきました。有名な女性誌『nonno(ノンノ)』の誌名も、実はアイヌ語の「花」に由来しています。わたしたちの身近にもあるアイヌ文化について学んでみましょう。